Q. 節句・初節句って何?端午(菖蒲)の節句とは?
A. 節句とは、子どもさんが丈夫でたくましく立派な男性に成長するように、との願いを込めてお祝いする行事で江戸時代から続いているならわしです。
男の赤ちゃんが生まれて、初めて迎える節句(五月五日)を初節句(端午の節句)といってお祝いします。
端午の節句は、その時期に盛りを迎える菖蒲を様々な形で用いることから菖蒲の節句とも呼ばれています。菖蒲は悪鬼を払うといわれており、家の屋根や軒先にさしたり、お酒にひたして(菖蒲酒)飲んだり、枕の下に敷いたり(菖蒲枕)、お湯の中に入れて入浴(菖蒲湯)したり…いずれのも身体に悪い気が付くのを防ぐという意味から使われています。
Q. 端午の節句には、なぜ五月人形を飾るの?
A. 鎧や兜を飾ることは武家社会から生まれた風習で、身の安全を願って神社にお参りするときに、鎧や兜を奉納するというしきたりに由来しています。
鎧や兜を“戦争の道具”と受け取る考えもありますが、武将にとっての鎧・兜は自分の身を護る大切な道具でありシンボルとしての精神的な意味もあるため、大切な宝物として扱われていました。
現在では鎧・兜が“身体を守るもの”という意味が重視され、交通事故や病気から大切な子どもを守ってくれるようにという願いも込めて飾られるようになりました。
一方、鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句用の飾りです。鯉は清流はもちろん、池や沼でも生息することができる非常に生命力の強い魚です。その鯉が急流を登り竜門という滝を登りきると竜になる…という中国の伝説にちなみ、子どもがどんな環境にも耐え立派な人になるようにとの立身出世を願い飾られています。
Q. 五月人形は誰が贈るもの?
A. 初節句に飾る五月人形は、一般的には母方の実家から贈られるものでしたが、現在では両家で折半することがポピュラーになりつつあります。古くは父方の両親から贈られていたことあり、また家や地域によって風習にも違いがあることから、両家で相談するのがベターです。
仲人さんや親戚、そして友人から贈るのは、金太郎などの童人形や鯉のぼりが一般的です。
Q. 五月人形を購入する時期、飾る時期はいつがいい?
A. 五月人形の購入時期は、ひな祭が終わったあとの三月初旬から四月中旬が良いようです。
五月人形や鯉のぼりを飾るのは、春分の日(三月二十一日)過ぎ、遅くても四月中旬には飾りましょう。
初節句ならなおさら、もっと早く飾っても大丈夫です。五月五日の前日に飾るのは「一夜飾り」と言われ、縁起が悪いとされているいので注意が必要です。
Q. お父さん・おじいさんの五月人形を子どもに譲ってもいいの?
A. 節句は、子どもさんが無事に成長し幸福になるようにと祈るためのお祝いですから、基本的には、五月人形や五月飾りもそれぞれに用意したいものです。