Q. どうして初正月に羽子板・破魔弓を飾るの?
A. 年を寿ぐといい、我が国では昔からお正月は一年の中でもっとも厳粛で華やかな年中行事のひとつでした。とくに「初正月」は、赤ちゃんが初めて迎えるお正月をいい、格別の慶びの門出です。お宮参り、初節句などと同様に、子どもの幸多い未来を晴れがましくお祝いしたいものです。初正月には古来、赤ちゃんの健やかな成長を願って、祖父母や親戚、親しい人たちが、女の子には羽子板、男の子には破魔弓を贈る習慣がありました。
旧暦の十二月から一月の間は十二支による暦の上で「丑・寅」にあたり、いわゆる良くないことが起こりやすい、「鬼門」の時期なのです。つまり羽子板や破魔弓には、その鬼門の時期を生命力の弱い赤ちゃんが無事に通過できるようにという願いがこめられているのです。
Q. なぜ羽子板は女の子のお守りなの?
A. 江戸時代の昔から、お正月の羽根つきは女の子の遊びでした。そして羽子板は、女の赤ちゃんの無病息災のお守りの意味も持っているのです。羽子板でつく羽の玉(あの黒くて堅い玉)は“むくろじ”という大木の種です。これを漢字にすると「無患子」と書きます。「子供が患わないように」という意味が込められているのです。
Q. 破魔弓はどうして男の子のお守りなの?
A. 読んで字のごとく、破魔弓は魔よけの意味があり厄払いのお守りです。男の子の元気な成長を願い、お正月に欠かせない縁起の良い祝い物となっています。また、神社の破魔弓や棟上げの際に屋根に立てる破魔弓も、弓矢のもつ魔除けの力を信じることから生まれた習慣なのです。
Q. 羽子板・破魔弓にはどんな種類があるの?
A. 羽子板は遊具用と装飾用に分かれます。装飾用は、贈答用としてケース入りやミニタイプ、羽子板立てを使うものなど、様々な種類があります。破魔弓は、矢羽根四本を一組として四つ矢飾りを原型に、羽の種類や大きさなど様々なバリエーションがあり、四つの矢には四方(東西南北)の魔払いの意味があります。
Q. 羽子板・破魔弓を購入する時期は?
A. 毎年十月には翌年向けの新作が出ますので、この時期から十二月にかけて、お子様にふさわしい品を選んであげてください。羽子板・破魔弓もその子のお守りですので、一人ひとりに贈ってあげるのが好ましいでしょう。
Q.羽子板・破魔弓の飾る時期と場所は?
A. 一般的には12月になったら床の間に飾り付けます。近頃では、ご家庭の住宅事情に合わせて皆さんが集まる場所などに飾られる方も増えてこられたようです。また、桃の節句には雛人形と一緒に、端午の節句には五月人形と一緒に飾るのも良く、お誕生日や七五三など機会あるたびに飾られるのも良いようです。