「破魔弓」とは、読んで字のごとく弓で魔を破るという意味があります。日本では古くから宮廷において、正月に射礼(じゃらい)という弓競技が行われていました。やがて平安時代になると、魔障を払い除く神事や年占いとして行われるようになっていきました。
また、これと関わる深いものに鳴弦(めいげん)の儀があります。これは弓の弦を強く弾き鳴らすことにより、魔除け・邪気払いをするという意味深い儀式です。
今日の皇室においても、お子様が誕生されて七日目に「読書・鳴弦の儀」が行われております。この他にも、弓を用いた儀式としては、弓射(ゆみいり・お正月に一年の占いと厄除けの行った)や、家を造るさいの上棟式に、鬼門除け(屋根の上に弓と矢を北東に向けて飾るもの)があります。
このように、縁起物として伝えられてきた弓と矢を組み合わせたものが、現代の「破魔弓」の基になっているのです。