五月人形が教えてくれる大切なこころと日本の伝統

株式会社サンホテル
取締役
坂田 玲子さん
贈られた五月人形に引き締まる思い
現在23歳になる長男が初節句を迎える際、兜飾りと張子の虎、破魔弓を実家の両親が贈ってくれました。当時は大きめな鎧飾りが人気だったのですが、マンションで暮らしている事もあり、コンパクトなサイズのものをお願いしました。しかし兜飾りには小さいながら屏風や太刀もしっかりと付いており、両親が息子の成長を祈って考えて選んでくれたのが分かり嬉しかったです。特に精巧にできた太刀には息子達も興味津々で、遊びたがるのを抑えるのが大変でした。
結婚してすぐ長男ができ、3月に生まれたため両親は「早く五月人形を用意しないといけない」と張り切ってくれたようです。五月人形を贈ってもらった時には、ありがたいという気持ちと共に、なぜか気が引き締まる想いがしたことを覚えています。息子をしっかり育てていこうという決意に加え、贈られた五月人形を我が家で大切に受け継いでいかなければいけないという責任を感じていました。
子育てと伝統の継承
兜飾りは、一緒に飾る太刀も含めて男の子には魅力的だと思いますので、五月人形に込められた想いを伝え、触って遊んだりしないよう話したことを思い出します。何が大切で、何が触っても良いものか、丁寧に扱うべきものは何か、を判断する術を身につけることで、家の外での振る舞い方も違ってくると思います。
お人形を通して家族の心の交流を
贈っていただいた五月人形を息子達に見せながら「この鎧兜はあなたが生まれた時に、おじいさん、おばあさんが、元気に育ってほしいと願って贈ってくれたんですよ」と話すだけでも、伝わるものがあると思うんです。
将来息子達にも家族ができたら、私が両親にしてもらったように、思い出に残るような五月人形を贈ってあげたいです。そしてお人形や節句行事などを通じて、お互いに楽しく暮らしていけたら嬉しいですね。